けんけんの数学日記

数学好きの大学院生が個人的に面白いと思った問題などを解いていくだけの世界線。

f(xy)=f(x)f(y)となる連続関数f:R→Rについて

今回は整数問題関係なくて高校生にはちょっと解けない(大学数学の基礎の中の基礎を身につけたらできるのでちょうど春休みあたりだから勉強してみるのも良いかも)関数方程式の話をします。

このf(xy)=f(x)f(y)というのは群の準同型と呼ばれる形になる(実際はRは0元のせいで掛け算で群と呼ばれるものにはならない、詳しくは群で検索してみよう)のですがこのf(xy)=f(x)f(y)で連続関数が実数Rの中でどんな関数になるのか気になって考えたらわかったのでブログにまとめようと思いました。

まずこれはよく使うことなのですがR上の連続関数は有理数Q上の値がわかれば有理数の稠密性から決めることができるのでQ上の値を考えます。とりあえずx>0を考えます。

で、Q上の値がわかればいいのですが、これは任意の素数pに対してf(p)の値がわかれば値がわかります。というのも有理数Qは整数÷整数で表せて整数は素因数分解できるのとf(xy)=f(x)f(y)の形から任意の有理数に対して値を定めれるようになります。

それとイレギュラーな関数を除いて考えると(今回だとx>0でf(x)≧0が容易にわかるのですがf(s)=0となるようなsが存在する関数をイレギュラーな関数と考えます。つまり、x>0でf(x)>0となる関数を考えます)素数の小さい順に並べた列{p_n}に対してf(p_n)=(p_n)^(λ_n)のように{λ_n}を定めた時、λ_nがわかれば有理数での値が定めれるようになるわけですが、ここで連続関数であることを利用するとこのλ_nを定めてやることができるのです。

で、ここで数学的な勘を働かすと、連続関数になるわけだからλ_nが定数になりそうです(ここのλ_nの値が違うとなんかある実数に対して極限が異なるようになりそうって気がするからとりあえずそう予想して背理法に持って行こうとします)。そこでf(2)=2^λとしたらf(p)=p^(λ')(p>3)としたときλ=λ'としようと考えるわけです。

ここで大学数学を知らないとわからないのですが、「有界な実数列の部分列をうまくとるとある極限に収束するようにできる」という主張があります。

これを利用するとp^nに対して2^m<p^n<2^(m+1)になるようなmが取れるがこのときx_n=(p^n)/(2^(m)とするように数列x_nを考えます。

するとx_nは有界な実数列となりpと2のみを掛け算割り算して得られる数列になるわけですが、このとき連続関数であることを利用するとλ=λ'となることが示せるわけです(ならないとらこの極限の周りで連続にならない)よって任意のx>0でf(x)=x^λのような形になることがわかります。

あとはx<0の場合ですがこの場合はf(-1)の値を決めてやれば定まります。まぁ、ここまで文字をつらつらと書いていきましたがおそらく解答見たほうが早いしわかりやすいと思うので解答載せときます。解答はこちら。

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