けんけんの数学日記

数学好きの大学院生が個人的に面白いと思った問題などを解いていくだけの世界線。

(182)パズルみたいなIMOの問題をときたい

こんばんは。今日IMOの3番で面白い問題があったからそれについて言いたいと思います。

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この問題、結構難しいんですけど、ちょっとずつ問題が解けていく感じが脳汁出るのでおすすめです。

さて、この問題、簡単に約数の議論とか使うと

Π(1+2a_k)/(1+a_k)

を整数にできるか案件にぶつかります。で、それをどうすればいいかを考えていくんですけどまあすぐに分子が絶対奇数になるから偶数はアウトなことがわかります。

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で、じゃあ奇数をどうすればいいかってことに悩むんですけど、とりあえず小さい方からごちゃごちゃやれば

9/5×5/3=3

で3はいけるんですよね。同じようにやっていったら

49/25×25/13×13/7=7

みたいに7もいけました。で、こんな感じで2^n-1はなんかいけそうみたいなお気持ちになります。

で、ちょっと落ち着くと、よく考えたら2^n-1は構成できたしさっきの式の形=5/(2^n-1)とか作れたらいいんじゃね?てことに気づくと、

5=5/3×3=5/3×9/5×5/3

みたいに5も構成できました。これがわかればあとは全部似たような形で表せないかなってなって、色々実験すると

33/17×17/9×(9/5×5/3)=33/3=11

65/33×33/17×17/9×9/5=13

みたいにできるから、なんかうまいものをかけると奇数が作れそうというお気持ちが出ます。頭の中で考えることはこのくらいで、あとは答案が回るように帰納法を使えば解けます。

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IMOの3,6って解答だけみると意味不明なことが多い(中の人がザコなだけで読者にとっては「は?」て思うかもしれないけどスルーしてほしい)けど、こういう風に実験をして見切って答案が作られている案件もよくあるので、とりあえず実験をしてみるといいです(少なくとも「実験をすることは悪いことではない」は任意の人間にとって真だと思います)。