けんけんの数学日記

数学好きの大学院生が個人的に面白いと思った問題などを解いていくだけの世界線。

(90) 0〜nを代入して整数になるn次多項式は任意の整数を代入すると整数になる

こんばんは。今日は有名問題のこれを示します。f:id:kenken-math-0604:20200917160532p:image

この問題、実は大学数学を学ぶと見方が変わってしまうのですが、整数問題botに関する話は高校生向けの話なのでまずは高校生の視点で解説します。

とりあえず帰納法を使いたいと考えるわけですが、仮定をどう使おうってなります。ですが、一般に多項式をずらした、例えばP(x+1)-P(x)みたいなのを考えたら最高次のが消えてくれます。これに注意するとP(x+1)-P(x)に対して帰納法の仮定が使えそうってなります。

そのあとどうしようってまたなるわけですが、P(n+1)=P(n+1)-P(n)+P(n)で、ここでP(x+1)-P(x)が任意の整数xで整数になることがわかってたらいけるようになってるわけで、P(n+2)とかでもこれが使えたらいけそうってお気持ちになります。P(-1)とかも同じような感じでやればできそうです。というわけでこの仮定であとは解答のようにすれば解けます。

 

ちなみに大学数学では基底の取り替えとかそういうことを学ぶので、そもそもn次多項式の書き方を別解のようにとって考えていけばできます。

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(56)x^26+y^26=2014^nの自然数解を求めたい

こんばんは。今日はこれの解説をします。f:id:kenken-math-0604:20200917155634p:image

この問題は確か2014年(平成26年)に卒業式の一言みたいなのに詰んでなんか問題貼っとけばいいやの精神で作った問題です(インキャだと卒業文集の一言で詰みがち)。

まあこれは純粋な疑問として考えたわけですが、とりあえずこういうのは余り見ればできそうと思ったら2014=2×19×53になってくれて、特に19は4で割ったら3余るためx^2+y^2が19の倍数かを考える際にx,yが19で割り切れることが必要になります。

それゆえ19で割った余りを見たらnが26の倍数になることが必要で、そのあと最大公約数とかとってLTE考えたら解けます。

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(58)a^3+ab+b^3=0となる整数(a,b)を求めるだけの記事

こんばんは。今日はこの自作問題をやります。

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昔純粋な疑問で作ったけどよくみたら次数が違うから簡単だった問題です。割と次数の差を抑えたい気持ちを素直な操作でやれば解けるからまあまあな問題と思います。知らんけど。

これはとりあえずa,bが正ならダメで、a=b=0になって、a,bが負でもダメそうです。が、a,bが負のときどうやったらダメになるかを気をつけて評価する必要があります。

次にaが正bが負の場合ですが、とりあえずb=-cみたいな変換を考えたらa-c=ac/(aa+ac+cc)みたいなのが出てきますが、これは不等式評価すればa=cにできて矛盾させれます。

今回うまくいったのは、a-cが整数になるという点と次数の差があったからです。この2点を使う整数問題は多分色々あるから色々やってみるといいでしょう。

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(69)京大オープンで約数の個数絡みの整数問題は不等式評価で解けることを確認する世界線

こんばんは。今日は京大オープンのこれをやります。

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とりあえずnの約数の個数はn=p_1^a_1p_2^a_2…+p_k^a_kみたいになったら

f(n)=(1+a_1)…(1+a_k)

みたいになります。

このとき、普通にp_1^a_1と1+a_1を比較したら指数的増大をするから明らかにp_1^a_1が大きくなりそうなお気持ちがあります。そういう気持ちを大事にしたら

5^n>2(1+n)

2^n≧(1+n)

みたいな不等式が得られて、これから今回の問題のnは2と3しか素因数を持たないことがわかります。この後もこういう不等式のお気持ちを大事にするとNが特定できます。

約数の和の問題は特にこういう不等式のお気持ちが強くなるので、そういうことを意識してやると良いでしょう。

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(8)ガウス記号の和と格子点について

こんばんは。今日はこの問題の解説をします。

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これ、多分背景的なものを知らないと厳しいので最初に書きますが、Σ(k=1〜n)[f(n)]は0<y≦f(x),1≦x≦nの格子点の個数となります。図を書くと多分わかりやすいですがこの記事は電車でかかれてるので各自確認してください。

それをふまえてこの問題考えるのですが、これ、図を書いたらy=√(px)とy=x^2/pってy=xに関して対象になってます。これも図を書くとわかるのですが、電車にいるので各自確認してください。加えて境界での格子点が(p,p)のみでしかないため、うまく格子点の位置をずらせば結局正方形の領域内の格子点の個数+1になります。

たまに、本当にたまに格子点の個数とガウス記号絡みの問題が出るから知っておいて損はないと思います。

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(5) 2007年の京大整数を解く

こんばんは。今日は京大の整数の中でも一番好きかもしれないこの問題を解きます。

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この問題以外にも2009年のやつとか難しいけど、これは(最初に出した気がする京大は凄いけど)今やテンプレ問題になってるし、他の年はだいたい余り絡みの問題が多くてつまらないです。(特色と2015年の整数は結構好きです)

で、この問題やっていくのですが、とりあえず方針立たないからd=-a-b-cを代入したらなんか因数分解できてa+bとa+cが特定できます。ただ、このままだと変数が一個足りてないから、c=-a-b-dも代入してみたらb+dがわかって解けます。あとは必要十分条件かどうかみたいな案件があるけど、とりあえず必要条件を考えてたから最後に確認したらいいやろうのお気持ちで代入して確認すればいけます。

ちなみに、この「とりあえず必要性やってるから最後に十分性を確認する」作業は脳死でできて、数学的に論理の破綻も起きないから、テストの時とかは最後に十分性確認しといたらバグが発生しにくくなります。割と試験でも使うと良いです。

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(175)n桁の数mでm^2の下n桁がmになる数は存在するか

こんばんは。今日は昔先輩に紹介されたこのような問題を考えたいと思います。

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この問題、簡単に実験すると5^2=25はok、25^2=625もok、625^2=390625でok、3125^2は9765625でokでない。

みたいに最初5^nみたいなんでいけるかなってなるけどいけないんですよね。

んで、原点に立ち返ってm^2-mが10^(n-1)の倍数になるm考えるんですけど、mが5^(n-1)の倍数でm-1が2^(n-1)の倍数になるやつを探そうってなります。これをするとm^2-mが10^(n-1)の倍数にできます。ただ、桁数に注目するとたまにn桁未満になるバグが発生するのですが、そういう際は10^nから引くことを考えたらうまくいきます。

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