けんけんの数学日記

数学好きの大学院生が個人的に面白いと思った問題などを解いていくだけの世界線。

(198) a²+b,b²+aがともに共通の素数の整数乗となるような正の整数の組(a,b)

大学への数学の2016年の1月の宿題だと思います。

だと思いますというのは、botでa^2+b,b^2+aがどちらも素数の整数乗となる(a,b)を求めよとしていたのですがこれはa=1としたときにb+1,b^2+1が共に素数の整数乗となればよくなるのですがこれはb=1,2,4,6,10,…と無限にありそうだったので、自分が解いたときそんなに難しくなかった気がするから写し間違えたのかなという結論に至りました。

でまぁなんにせよ共通の素数の整数乗で考えることにしますが、この問題、共通の素数の整数乗とすると(a^2+b)-(b^2+a)というのが因数分解で(a-b)(a+b+1)とでき、また共通の素数の整数乗にしておくとa^2+b=p^s,b^2+a=p^tと表わせてp^s-p^tを考えればよくなるけどこれは素数pでs,tの小さい方の回数だけ割り切れるようになります。

というのをふまえると

a-b=(p^x)×k

a+b+1=(p^y)×l

のように表してやることができ、これからa,bがある程度表現できます。これと元のb^2+a=p^tとかに当てはめて行くとかなり色々と条件が綺麗になっていって最終的に答えが出せます。

 

最後かなり雑に説明しましたが、こういう素数の冪の問題(具体的な2の冪の問題も含む)というのは素数pで割り切れる回数に着目して色々式を変形して行くと不等式が得られて解けるケースが体感結構ある気がします。後はa^2+b,b^2+aという二つの式がa,b入れ替えただけということに気づけば差を取ると因数分解できて解けそう(因数分解して各々考えるのはよく使うと思います)って感じなことを感覚的に意識しながら色々試すとできると思います。

解答はこちら。

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