極限の典型問題を一般化したい世界線
こんばんは。今日もブログをやっていきたいと思います。
さて、わたしは少しだけTwitterをやってるのですが、最近よくこんな感じのツイートを見ます。
僕も高校生の時はこういう問題を作って自作問題と言ってました。が、大学院生とかいう老害になるとこのタイプの問題を一般化したくなるんですよ。それゆえこういうタイプ問題の検算も兼ねて一般化した話を今日はしていきたいと思います。
一般化する前に言っとくと、今回の話は一般化してる故に関数特有の性質的なのは使えません。なにが言いたいかというと上であげた問題とかは(ちゃんと解いてないから知らんけど)三角関数特有の漸化式が綺麗に立てれる、的なことはしていません。
まず、主張は以下のようになります
本当は普通にtex書体を使いたかったんですけどクソ雑魚なのでやり方がわかりませんでした(かわいそう)。それ故まとめノートを貼るいつものになってます。ただこの内容自体はtexで打ったから最後にpdfを貼っておきます。
と思ったけど日本一無能なのでpdfの載せ方がわかりませんでした。pdfのスクショを貼っときます(こんなにひどいブログがあるだろうか…)
で、要はこういう主張になってるんですが、ここでいうΓとはガンマ関数Γ(z)=∫t^(z-1)e^(-t)dtのことを言います。詳しくはガンマ関数で調べて。
ちなみに調べたらわかるけどΓ関数は実際のところ実部が正の複素平面上で定義できたりするけど今回は実数のお話しかないので複素の話は無しで。
それでまぁこんな形式で見えても嬉しくないだろ!て言う人とかも多いと思うけど、この形式が実は結構嬉しくて、このガンマ関数、Γ(1/2)=√πになることが知られていて、それゆえよくみる極限
√n∫[0→π/2]cos^n(x)dx
のような式も本質的には0→1の積分と考えれて、先の定理を使えばf(x)=cosxとしたらf(0)=1,f'(0)=0,f''(0)=-1より極限は1/2×(2!/1)^(1/2)×Γ(1/2)=√(π/2)と代入するだけで出せたりします、
自作問題の
に関しても、x→π/4-xで置換すると
I_n=∫[0→π/4] (1/(sinx+cosx))^ndx
となり、f(x)=1/sinx+cosxとしたらf(0)=1,f'(0)=-1より定理に当てはまることでn I_n→Γ(1)=1(これは普通にガンマ関数に当てはめると出せる)と出すことができる。
こっちの問2に関しても(ちなみにこの問1は普通に面白いからやってみると良い。)
になって、今回の証明の同様の手法を使えば本質的にはe^(π/4)・(1/2)・Γ(1)=e^(π/4)/2
が出せます(この辺一般化すると院試に出せそうだな)。
せっかくなのでこっちの自作問題に対しても一般化してpdfの写真載せておきます(というからそうしないとサムネ詐欺になっちゃう!)
主張だけ先に書いておくとこんな感じになります。
で、証明はどうせるのかという話ですが今回はεδ論法を使います(高校数学さん…)
とはいえ基本的な議論は高校数学でできるため、εδの定義とlimsup,liminfの定義がわかれば話はわかると思います(ググったらすぐわかりそう)。
証明のoutlineを書くと、ようはテイラーの定理を使えばf(x)≒1-ax^m/m!と書けて、それゆえ
∫(1-ax^m/m!)^ndx
の近似ができればよろしって感じになります。またこの証明は本質的に0<δ<1を固定したあとn→∞に飛ばすという考え方をしてるため、ここのδの値はいくらでも小さくなれます。
また、こうした式をだすと∫x^s(1-x)^ndxのような式が出てくる(僕は数学エアプなのでこれが出てきた時点でベータ関数になってることを失念しました)のですが、今回の主張、m=1で整数、m=2で√π×なんかのような形が出てくるため、ガンマ関数と関係ありそうだなって感じました。で、それを踏まえてこの式を見ると1-x≒e^(-x)が作れそうだなって感じました。ここまでわかったらあとは計算を正当化するだけ、僕のような劣等生でもなんとかなります。
多分詳しくベータ関数について調べたら良い主張とかありそうだから気になった人はそっちについて調べてみてください。
とりあえずそれゆえ計算を正当化すると、先の主張のようなものが出てきました。
とまあ、関数をn乗したものの積分の極限みたいなのはツイッターを5年もやってたら直近にみたこの二件以外にも色々見てきたわけですが、一般化できるということを伝えたくてこのブログを書きました。
*1:1-tanx)/(1+tanx