けんけんの数学日記

数学好きの大学院生が個人的に面白いと思った問題などを解いていくだけの世界線。

(200)京大の特色入試の数学を救いたい

こんばんは。今日は初年度(2016年度)の京大特色入試の4番を解きたいと思います。D無制限でしたっけ。問題はこれです。

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画像は探してきたら出てきました。

この問題を解くと実は特色入試で大事なことがわかったりするので、是非読んでいただけたらなと存じております。

 

まず最初に特色入試で持っておきたい知識として、

①ε論法

②集合を扱う大学一回生レベルの論理(知っといて損ではないけど集合と位相とかそのレベルはやらなくていいと思う)

③三角不等式

あたりは知っておいて損ではないです。この2つは競技数学でも知っといたほうがいい知識にはなってますが、特に特色入試ではよく使う印象があります。

例えば去年の特色入試とかでも、

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こんなんがでたけど、これは任意の整数になる→差が1未満

みたいな議論に持っていきたいけど、こういうときにε論法を知ってると有利になります。

ちなみにこういう手法は2015年度の京大入試でも使いましたね。

で、この①の意識があると、十分大きいものを取るという感覚が鋭くなって、今回の問題にも対応しやすくなると感じております。

また、②に関してですが、この感覚があると集合上の個数とかを数えるのに役立ったりしますが、これは大学に入ってから身につけるもののようになっている気がして、でも特色入試では出るので気をつけた方がいいと感じました。

例えば今回の問題の解答の概略なのですが、結局条件3からf:id:kenken-math-0604:20200828154912j:image

上図の正方形各々に少なくとも(x_i,y_i)みたいなものが存在して、そうしたとき線で囲った正方形の中にはn^2個以上点がありそうだけどその正方形の辺のサイズがnレベルの雑魚そうなので十分大きいnで不等式逆にできそうっていう考え方になってます。

が、その議論をする際にこの交わってない正方形どおしが実際に交わってない議論などが、集合に関する大学初年度レベルの知識があった方が有利なんじゃないかなあって思って②をあげました。

で、③は②と似たようなもんですが、②の議論みたいなのを使ったりその他の極限とか扱うときにおいても三角不等式はとてもよく使うので知っといて欲しいと思いました。

ちなみに解答をまとめるとこうなります

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ちなみにクソザコすぎて何故か「|x-L|+|y-L|≦L-1の(x,y)の個数が(L-1)^2個以上」とか書いてる気がするけど計算すると2L^2-2L+1個以上な気がします(嘘はついてない)。

まあ僕は特色入試を受けたわけでもないし、ほかに特色入試に実際合格してる人のコメントとか見たほうが参考になる気がするけど、なんとなく特色入試の問題を眺めて思ったことはその辺でした。参考にしてもいいし参考にしないでもいいです。