けんけんの数学日記

数学好きの大学院生が個人的に面白いと思った問題などを解いていくだけの世界線。

(139) abc=(a+b+c)^2の整数解は無限個あるか?

こんばんは。今回はabc=(a+b+c)^2の整数解が無限個あるかどうかを調べたいと思います。

なんか数学祭っていうのがやっててそれに便乗して自作問題をサムネ詐欺しただけなのにめっちゃ見てもらえて恐縮してます…完全に詐欺で、コンテストほど難しくないやつでしたが、色んな解答見れて面白かったです。

あと、思ったより需要がありそうだから数学後夜祭開くことを考えてます(需要ありそうなら)。

 

さて、これは純粋な疑問からきてる自作問題ですが、aに小さい数字を入れてもピンときません。そこで色々調整しようとなるのですが、よくみると三次の式とか思うかもしれないけどaの二次方程式とみなすと判別式が平方数になるかをみたらよくなって、これを考えたら

bc(bc-4b-4c)

が平方数になるのを考えればよくなります。ここでcをなんか固定したりしたいけどb=5を入れたら5c(c-20)になって、5の倍数の判定とかでc=5c'を考えたら125c'(c'-4)が平方数になり、これはc'=x^2,c'-4=5y^2とかになれば平方数になれるけどx^2-5y^2=4の解を調べたらよくなって、これが無限個あるからいけるって感じになります。

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というのが僕の考え方だったのですが、どうも変な考え方というか、この考え方をしてる人はいませんでした。

基本的にはどちゃ楽数学botさんのこの解答の方針でやっていたようです。

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これはvieta jumpingと呼ばれる手法で、僕もこのやり方自体は知っているのですが今回の問題では盲点になっていました(それゆえ難易度がやや易の割に易しく感じたかもしれません)。この手法は無限個の構成ではおそらくかなり強い主張で、例えば東大2006年のabc=a^2+b^2+c^2の解に対する議論もこれを使います(これは僕もvieta jumpingを使った)。だから押さえておくと良いでしょう。

正直無限個を構成する問題は僕のようなペル方程式の形を生成するかこのvieta jumpingを使うことがほとんどだと思います(僕の統計比)。

ちなみにこのやり方をして解いてくださったのが

どちゃ楽数学bot 

jell 

阿笠博士🐟

herry 17

です(敬称略)。

ちなみに「数学好きな九大生な奴」さんは東大2006年のやつを使って以下のように解いてました。

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正直過去問を理解してこういう風に応用するのはありだしおもしろいと思いました。

 

今回、正直90%便乗、10%はこの問題の解き方色々見たいというお気持ちでしたが色んな人に解いてもらえて嬉しかったです。数学祭の後夜祭を開くことを真剣に検討したいと思います。